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高度医療の恩恵を実感 - 医療格差について思う【闘病記】

動物の高度医療_恩恵を実感

緊迫の7日(17/18)劇症肝炎闘病記

退院の翌々日。またピーチーを連れてDVMs(動物医療センター横浜)に行きました。
劇症肝炎を発症する前から、この日は癲癇(てんかん)の治療のために脳神経科の予約が入れてあったのです。

二次診療、高度医療は街の動物病院と違い、受診する科が専門分野で別れています。当然ながら各分野の専門医が担当するために、わずか2日の違いでも、まとめて診てもらうわけにはいきません。

しかし文句は言えません。こういう医療体制が整っていて良かったし、その恩恵に預かれる場所に住んでいたのも幸運でした。

地域ごとに、医療格差は随分とあるようです。
二次診療、高度医療を、どこにいる子も受けられる環境になれば良いと思っています。

以下、当時のブログです。

8月23日 夜|一週間を振り返り思う

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今日はピーチーを連れて、DVMsに行ってきました。

劇症肝炎の治療のためではなく、1か月前から予約が入っていた、脳神経科を受診するためです。1か月前には、この数日でピーチーに起きた一大事のことなど、予想もしていませんでした。

更に言えば1週間前には、ピーチーがこんな形で――
曲がりなりにも自分の足で歩いて、DVMsの外来に来ることができるなどとは、思いもしませんでした。

全ては1週間前の今日はじまった

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丁度1週間前の今日の未明――

ピーチーが発熱して動けない状態であることに気付き、DVMsの救命救急に飛び込んだことが始まりでした。
そこから僕と奥さん、ピーチーにとっての、長い長い1週間が動き始めたのです。

当直医からピーチーが危険な状態であることを知らされ、入院先を求めて右往左往したのが1日目。幸いにもDVMsの救命救急が再度受け入れてくれて、緊急入院後の2日目は、朝から二次診療センターの担当医との面談。
以前にも書きましたが、DVMsには救急診療センターと、二次診療センターの2つの役割があります。そして二次診療は多くの場合、高度医療を意味します。

「難しい状況になってきました」
が、その二次診療センターの担当医の第一声でした。

僕も奥さんも、その一言だけでピーチーが置かれている状況を察しました。

 

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これが1週間前にDVMsに来た時のピーチー

その日、偶然にDVMsの待合室で会った、罹りつけの動物病院の院長先生も、僕たちから様子を聞いて、瞬時に顔が曇りました。この時点では誰もが、ピーチーの最期の時は近いと予感していたのです。

しかし、こんな状況だからこそ、僕と奥さんの覚悟は決まりました。
ピーチーの命を預かって、最後まで戦う覚悟です。

思えば、ほとんど勝ち目の無い戦いでした。
頼るものはたった一つだけ。ピーチーが生まれながらに持っている、恐ろしいほどの強運だけです。僕と奥さんは、ただその強運を信じ、その運の流れの邪魔をしないよう動いだだけでした。今思えば、高度医療の恩恵に預かれたことさえも、強運の1つのように思います。

ピーチーの強運については、以前に罹患した胆管閉塞の闘病記にも書いています。
また強運を発揮したわけです。

奇跡の正体 強運の正体(全4話)

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ご機嫌な闘病記録

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入院中の看護記録です。『ごきげん』の言葉が素敵です。
病院で大切に診ていただいたことが良く分かります。

さて、まだピーチーは闘病中です。

肝炎の値はまだ下がっていませんし、今日の脳神経科でのお話では、てんかんの治療もまだ続けなければなりません。

ひょっとすると病状が急変し、また危機的な状況に陥ることも十分に考えられます。しかしそれでも、今の小康状態を勝ち取ったことを、素直に喜びたく思っています。

今、僕がしみじみと思うのは、このブログを書いていて良かったという事です。
書くことによって、冷静に状況を捉えることができましたし、何よりも応援をしてくださる皆さんの励ましは、心の支えでした。

はじめのうちは、ピーチーが闘っている経過を皆さんにお伝えすることが、いつか誰かの役にたつのだと思っていました。しかしそれは最初の頃だけの話です。誰かの役に立つどころか、実は僕の方が助けられていたのです。

ひとまずは、ここまでの感謝を皆さんにお伝えしたく思います。
暖かい応援、励まし、ありがとうございました。

ピーチーが本当に良くなったら、また改めてお礼を申し上げたく思っています。

 

――第3章|闘病記を読もう(26/28)・つづく――

この記事について

作者:高栖匡躬
 ▶プロフィール

表紙:今回の表紙は、ピーチーです。

――次話――

―劇症肝炎闘病記の最終話―
退院から4日、すっかり元気になったピーチー。
日付が変わると14歳の誕生日です。
数日前は、まさかこの日が訪れるとは思いませんでした。
実はずっと、回復を心からは喜べませんでした。
いつ急変するか分からなかったからです。
しかし、もう大丈夫。

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――前話――

劇症肝炎からは回復したものの、原因の自己免疫不全はそのまま。
つまりこれからは、本来体を守るはずの免疫との闘いが始まります。
おそろしく増えた薬の種類にため息が。
しかし、ピーチーのトボケタ顔を見ると、“前向きに“という気持ちになってきます。

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劇症肝炎闘病記の初話です
第3章の初話です 
この連載の初話です
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