緊迫の7日(18/18)劇症肝炎闘病記
上の写真は、この闘病ブログを書いた翌日(8月26日)に撮影したものです。
ピーチーの誕生日に、お祝いのウニ(それも北海道の利尻産の高級ウニ)を食べさせてやった時のものです。写真からも分かるように、ピーチーは死の一歩手前の状態から生還してきました。
このブログは、ピーチーが劇症肝炎に罹った2105年に書いたものですが、今読見返しても、当時のハラハラした思いが蘇ってきます。
ピーチーとピタリ同じ症例(自己免疫疾患による、癲癇+劇症肝炎+多発性関節炎+内耳炎)のワンコは、そういるものではないでしょう。しかし自己免疫疾患は、症状は何でもありの病気。ピーチーとは違っていても、複数の症状が複合することは容易に想像がつくことです。
この闘病記が皆さんの愛犬、愛猫の闘病で、役にたてば嬉しいのですが。
以下、当時のブログです。
8月25日 夕方|緊迫の7日最終話- 血液検査の結果は
本日、1日遅れでDVMsから電話がありました。
何の電話かと言うと、ピーチーの血液検査の結果報告です。
ピーチーは2日前の日曜日に採血しており、その結果が1日で出るはずだったのですが、2日かかってしまって今日になったのです。
電話の相手は、担当医の山○先生――
「ピーチーちゃんの検査の結果ですが、大変良好です」
それは、僕が待ち望んでいた言葉でした。
最も心配していて基準値を超えていたGPT、総ビリルビンは既に正常値。
上限値を超えて測定不能だった、炎症を示す指標、C-反応性蛋白(CRT)も正常値。
唯一、ALP アルカリフォスターゼという値が高止まりしているそうですが、これはステロイド治療を行っている以上はやむを得ない現象との事。
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山○先生は続けてこうおっしゃいました。
「数値から判断すると、ご自宅のピーチーちゃんは、相当にお元気なのではないですか?」
確かに、先生の言う通り、目の前にいるピーチーは、以前と変わらぬ姿で歩き回っています。
「先生、病気をする前よりもずっと元気で、若返ったみたいです」
「そんなにですか?」
「しかも先生、ピーチーは耳が聞こえるようになっています」
「何ですって?」
山○先生は思わず、驚きの声を――
内耳炎による難聴も、自己免疫不全だった可能性
そうなのです。実際ピーチーは2年ほど前から耳が遠くなり、昨年あたりから全く聞こえていないようでした。
「調べたところ、自己免疫不全性の内耳炎というのがあるそうです。もしかすると、それも治ったということではないでしょうか?」
「大いに可能性はあります。良かったですね」
山○先生はそう言ってくださいました。聴覚の改善までは、山○先生も予想されていなかったようです。
「ありがとうございます、先生」
僕は、心からのお礼を先生に言いました。
もう喜んでも大丈夫
「今後は、罹りつけの主治医さんのところで、投薬を続けてください」
山○先生は、そう言ってくださいました。
「やった」
僕はもう、天にも昇る気持ちでした。
そうです。ピーチーはいつの間にか、もういつもの動物病院で診てもらえるほどに、回復をしていたのです。
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1週間前には、全ての状態が悪化の一途で、「もう駄目かもしれない。何とか誕生日まで持ってくれれば」とまで思っていた子が、なんと誕生日を迎える前に家に戻ってくることができたばかりか、発病する前よりもずっと元気で、まるで2歳ほども若返ったような姿で目の前にいるのです。本当に信じられない思いです。
ピーチーは写真を撮ろうとしてカメラを向けると、物音に反応し、僕のところに駆け寄ってきます。そして僕の顔とか、手とか、足とかを舐めようとするのです。
これまでは動きが緩慢で、楽々写真がとれていたのに――
今はいつもせわしなく動いているので、寝ている時以外は、良いアングルでの撮影が難しくなってきています。
嬉しい悲鳴です。
明日はピーチーの誕生日!
明日8月26日は、ピーチーの14歳の誕生日です。
これまではピーチーの回復を、あまり喜ばないようにしてきました。
喜ぶとしっぺ返しを食いそうで、ぬか喜びになってしまうのが恐かったからです。
でも、もう喜んでも大丈夫そうです。
ピーチーと、奥さんと、僕は、また賭けに勝ったようです。
それも誕生日前日という、絶好のタイミングでです。
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今日はいつもお世話になっているお寿司屋さんにお願いして、ピーチーのために『北海道・利尻産の高級ウニ』を取り寄せてもらっています。
飼い主がこれまで食べたこともないウニです。
日付が変わる零時を待って、ピーチーに食べさせてやろうと思います。
最後に、僕の心からの言葉を書きます。
「やったぜ、ピーチー!」
深夜の0時を迎えて、ウニを食べたピーチーです
日が変わってすぐに、ピーチーにはウニを食べさせてあげました。
14歳、おめでとう。
よく頑張ったね。
その後のピーチーは
すっかり元気になったピーチーですが、病気の根本原因あることであった自己免疫不全が解消されたわけではありません。その後はステロイドの減薬と、免疫抑制剤への切替で苦しむことになります。
それについては別の闘病記にまとめてありますので、そちらをご覧ください。
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自己免疫不全の内容を、体験談を元に解説しています。
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ステロイドを使用したとき、多くの方が悩む減薬と、離脱症状についての体験談です。
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ステロイドから免疫抑制剤への切替について、体験談を中心に解説しています。
――第3章|闘病記を読もう(27/28)・つづく――
この記事について
作者:高栖匡躬
▶プロフィール
Follow @peachy_love
表紙:今回の表紙は、ピーチーです。
――次話――
(次話は第3章のまとめです)
ペットの闘病は、飼い主が全てを決断します。
病状を聞き、治療法を決めるのは飼い主。
時にはその決断が、命を左右することもあります。
闘病は“身を切るような選択”の連続。
例え間違っていても、後悔の無い選択をするのが飼い主だと思うのです。
――前話――
緊迫の1週間を振り返りました。
ピーチーを救ったのは、恐ろしいほどの強運です。
高度医療を受けられる場所に住んでいて、
ギリギリのタイミングで診療が受けられて――
医療には地域格差があります。
どの子も等しく高度医療の恩恵に預かれますように。
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▶ 劇症肝炎闘病記の初話です
▶ 第3章の初話です
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