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君が旅立つまでのこと

ケーススタディとしての闘病記 - 闘病記を読むということ

ケーススタディとしての闘病記

闘病記が教えてくれること(1/5)

この章では、筆者の愛犬ピーチーの闘病記を書こうと思います。

とは言うものの、現在愛犬が闘病中でない方や、愛犬がピーチーと違う病気で闘病中の方にとっては、いきなりよその家の犬の闘病記を読めと言われても、戸惑われることでしょう。

闘病記と言うのはその病気が何であれ、読む価値があるものです。
何故ならば、そこには病気の知識だけでなく、闘病や介護に向き合う飼い主さんの姿勢が書かれているからです。

本章では以下のように、”闘病記” を扱っていこうと思います。

 

闘病への取り組み方を、体形的にまとめる

愛犬の闘病記はブログの中には幾つも散見されますが、書籍や専門サイトのようなまとまった形にはなかなかなりづらいもののようです。筆者も経験したことですが、いざ愛犬が病気になったときに、真っ先に読む定番的な情報がどこにも無いのです。

当記事はそのニーズに添えるように、犬の闘病に関する考え方や実例を可能な限り分類整理し、これから愛犬の病気に立ち向かわれる飼い主さんの参考になるよう、客観的に書くことを心がけることにします。

尚ここでいう闘病とは、風邪とか下痢とかの回復可能な病気ではなく、愛犬の命を賭けた、(多くの場合には最後の)闘病を指します。

犬は口がきけないために、病気が発覚するのが遅れがちで、判明した段階でかなり進行していることが多いようです。
通常の場合、飼い主の側には病気に対する知識が有りません。突然に危険な状態からスタートする闘病は、飼い主さんにとってきっと戸惑いと恐れしかないことでしょう。最初は筆者もそうでした。

犬の闘病は多くの場合、はじめに受診した病院(多くの場合は、掛かりつけの主治医であることでしょう)の判断で闘病が進んで行くことになると思われます。
それ以外の選択肢というのは、なかなか提示もされないし、思いつきもしないことだろうと思います。

愛犬ピーチーの主な闘病歴

筆者の愛犬ピーチーが、最初に大病をしたのは11歳のときでした。
病名は胆管閉塞で、主治師からは安楽死を勧められたほど切迫していました。

幸いにも筆者と愛犬には、主治医によって”高度医療”という選択肢が示されました。もしもそれがなければ、ピーチーは11歳の頃に天国に旅立っていたことでしょう。

以前の記事では、ピーチーが死の淵を覗いた闘病は2回と書きましたが、実際にはそれにとても近い状態が更に2回起きていました。そして5回目が、本当の最後の闘いとなりました。

発生順に書くと下記のようになります。

1回目:11歳 - 急性膵炎+胆管閉塞

急性膵炎を発症。一時回復するも、その直後に胆管閉塞を併発。

2回目:13歳と9か月 - 重度の癲癇発作

癲癇の重積発作。一晩で7回の発作+病院での処置中に1回発症。
意識障害が残るほどの重症だったが、幸いにも新薬がマッチ
その後、小康状態を得る。

3回目:13歳と11か月- 劇症肝炎

何の前触れもなく、劇症肝炎を発症。
ステロイドの大量投与によって、奇跡的に回復。

4回目:14歳と1か月 - ステロイドの離脱症状と肝炎症状再発

ステロイドの減薬中に再度の肝炎症状。
免疫抑制剤によって難を逃れる。

5回目:14歳と7か月 - 肺がん

微かな呼吸の異常から、撮影したレントゲンで肺に影が見つかる。
肺がんの疑いあり。(高齢のために確定診断はせず)
その後、急激に病状が悪化し、20日後に他界。

 

闘病記をケーススタディに

この章は、これから愛犬の闘病をなさる飼い主さんの参考になるように、ピーチーの闘病記を、ケーススタディとして記していこうと思います。

まずは本話に続いて、闘病記を読む前に知っていただきたいことを4話ご提示します。次いで具体的な闘病記に入っていきます。

取り上げるのは、上記1回目と3回目の闘病経験です。
どうかお役に立ちますように。

急性膵炎+胆管閉塞の闘病記です(全4話)
劇症肝炎の闘病記です(全18話)

闘病記への感謝で作成したカードです

闘病記への感謝の気持ち

 

――第3章|闘病記を読もう(1/28)つづく――

この記事について

作者:高栖匡躬
 ▶プロフィール

表紙:小雪さん(飼い主:小雪ママさん)です。

――次話――

先人の残した闘病記から、我々は沢山のことを学びます。
時にそれは失敗のケーススタディであり、時に心構えや覚悟を伝えてくれます。
初めて通る道は険しいけれど、私たちは誰かが先に歩いてくれた道を、ついて行くことができるのです。

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――前話――

(前話は第2章の最終話です)

『またね』は筆者が愛犬ピーチーを看取る時に、掛けてあげた言葉です。
「あー楽しかった、またね」
そう言って、笑いながら走り去るピーチーへの、最後の言葉。
別れの言葉なのに、再会へのほのかな希望を含んだ――
今も、あの時の記憶が、まざまざと蘇ってきます。

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第3章の初話(本話)です 
この連載の初話です
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