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すべてはここから - 突如の劇症肝炎、発症から救命救急へ【闘病記】

劇症肝炎闘病記

緊迫の7日(1/18)劇症肝炎闘病記

これから、愛犬ピーチーの劇症肝炎との闘病について書いていこうと思います。

過去に何度か死線を切り抜けたピーチーですが、この時の闘病は大変なものでした。突然の食欲不振から始まり、転がるように死の淵まで一気に病状が進んだのです。

ピーチーが突然重病を発症したのは2度目。1度目は 急性膵炎からの胆管閉塞 です。
飼い主である筆者は、愛犬の治療の選択肢を増やすことに専念しました。そして最後に、身を切るような選択が待っていました。

この時の闘病は、筆者がブログを書き始めてからの出来事なので、発症から治療経過までの記録が詳細に残っています。日付を追う形で、闘病日記として書いていこうと思っています。

8月16日 朝|突如の変調 ‐ 劇症肝炎が疑われる

今日(8月16日)のピーチーは、調子があんまり良くありません。
現在、DVMs動物診療センター横浜(以後、DVMs)のER(救急救命)にて経過観察中ですが、症状からは ”劇症肝炎” が疑われています。

今思えば事の発端は6日前の、10日の夜だと思います。夜になって突然の震えがあり、食欲不振辺になりました。そこが恐らく前兆だったのでしょう。

この記録がいつか誰かの役に立つかもしれませんので、経過をまとめておきます。

これまでの経過 - 10日夜から - 体調不良

10日 夜 

突然の震え、食欲不振、ぐったりとしている。 
動けなかったからと思われるが、リビングで寝たままで大便。便は通常。

11日 朝 

ぐったりしているピーチー

食欲不振が続く。
足取りはたどたどしいが、ヘルニア(注1)か癲癇(注2)が引き起こしていると思われる。
浴室に行きたがり、大半の時間は浴室で寝ている。
(暗い場所に行きたがるのは、体調が悪い時のピーチーの特徴)

(注1)ピーチーは過去にヘルニア(馬尾症候群)の所見が示されていました。
(注2)ピーチーは4月末に癲癇を発症し、そのご悪化をしていました。

11日 夜 

元気、食欲ともに戻る。結局2食絶食。
晩ごはんは、お腹がすいているため、ガツガツ食べる。
元気はもどったのに、相変わらず、浴室には行きたがる。
動けるようになったため、冷房を入れているリビングと浴室を何度も往復。

12日 朝 

相変わらずぐったり

食欲は通常通り。
相変わらず、リビングと浴室を何度も往復。
便は通常。

12日 夜 

食欲は通常通り。
相変わらず、リビングと浴室を何度も往復

13日 朝 

食欲は通常通り。
相変わらず、リビングと浴室を何度も往復 

13日 夜 

嘔吐。朝(9時頃)食べたドライフードと、(火を通した)鶏肉がまだ未消化で、不審に思う。
食欲なく、フードは食べない。
生のささみを与えたところ、数切れ食べる。
深夜1時にイーケプラ(注3)の投薬のため、(火を通した)鶏のハ
ツと共に与えたところ食べる。
この辺りから、便通が無くなる

(注3)イーケプラは抗てんかん薬の一つです。

 

14日 朝 

早朝に嘔吐の跡を発見。前夜に与えていたハツとささみが未消化
発熱に気付く。39度8分。
熱中症を疑い、保冷剤と濡れタオルで体を冷やす。 
39度になった段階で、主治医の大倉山動物病院へ
病院で計熱すると38度4分。この段階では軽度の熱中症だったと予測し、特に処置はせず。
念のために血液検査。この時点では異常数値は何もなし。肝臓の値も正常値。

14日 夜 

食欲なし。絶食。生のささみも食べず。
歩きが困難にもかかわらず、ウロウロと動く。
お風呂で寝ていても、すぐ出てきて、またすぐにお風呂に戻る。
具合が悪くて、身の置き所が無い感じ。

15日 朝 

食欲なし。絶食
また発熱に気付く。40度2分。
急いで保冷剤と濡れタオルで体を冷す。
この日はなかなか体温が下がらず、39度5分の時点で見切りをつけ、主治医の大倉山動物病院)へ。
病院では熱中症と判断し、点滴(ビタミンを含む生理食塩水)。
消化器機能異常を改善するために、プリンペランを注射。
熱は下がる。正確には覚えていないが、38度台の前半。
感染症を疑い、レントゲンを撮る。肺には異常なし。
便秘がレントゲンに映る。
最近手羽先を骨ごと与えていたので、カルシウムが溜まった模様。
浣腸をして便を出す。

15日 夜 

食欲なし。絶食
夜遅くにまた発熱。ぐったりとして動けない。
エアコンを効かせ、濡れタオル、扇風機で体温を下げる。
翌1時の段階である程度落ち着き、39度前後。
イーケプラを飲ませる。

急変のはじまり-8月16日 - 発熱

16日 朝 

6時に体温が上昇している事に気付く。40度4分
体が震え、意識のレベルが下がっている。
保冷剤と濡れタオルで、とにかく体を冷やす。しかしなかなか体温は下がらず。
DVMsのERに電話。
救急対応は体温を下げてから行くか、急いで行くかを確認。
体を冷やしながら急いで行くことになり、タクシーを呼ぶ。

病院の待合室にて

DVMsにて血液検査を再度行う。
肝臓の数値が著しく悪くなっている。
(GOT 243,GPT 421,ALP 3500以上,総ビリルビン 5.5)
炎症を示すC-反応性蛋白(CRP)が20以上
黄疸の症状もあり

バイタルの確保のために点滴+肝機能の保護のために、ミノファーゲン1Aを投与
本来はその後、ステロイド剤などで症状を抑える治療を行うらしいのだが……
DVMsは救急対応までで、治療は主治医が行うのが原則。
(DVMsで二次診療を行う場合は、主治医の紹介状が必要)
(ピーチーは癲癇の治療のため、同院の脳神経科で既に二次診療を受けているが、肝臓は総合内科で別枠になるとのこと)

その後の治療のために、タクシーでかかりつけの大倉山動物病院へ

濡れタオルで体を冷やす

大倉山動物病院に行くが、主治医(院長先生)が、他の急患(深刻そう)にかかりっきり。ピーチーの治療がいつ始められるかも分からない状況。

運命を分けた決断 - 強引に二次診療へ

副院長先生から、「こちらで預かるので、一旦帰宅してはどうか」と言われる。
「ピーチーも緊急度が高いので、今すぐDVMsに紹介状を書いてくれないか」と食い下がる。

副院長先生がDVMsに掛け合ってくれ、翌日朝の総合内科の二次診療の予約がとれる。同時に本日から、ER(救急救命)で預かってくれるとの事。

もう一度タクシーを呼んで、DVMsにトンボ帰り。
まずは肝機能保護と、バイタルを回復させるための治療を開始。

本格的な治療方針は、明朝の総合内科の受診により、専門医との相談の上で決まる模様。

 

――第3章|闘病記を読もう(10/28)・つづく――

この記事について

作者:高栖匡躬
 ▶プロフィール

表紙:今回の表紙は、ピーチーです。

――次話――

諸数値の急激な悪化から、劇症肝炎は間違いなし。
しかし救命救急センターでは、治療が出来ません。
主治医に移動するも、緊急度が高過ぎて手に負えず。
専門医の診療を受けるために、すぐに2度めの移動。
病状は深刻で、一刻の猶予も無い状態なのに――

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――前話――

闘病を振り返ると、飼い主はただ選択肢を増やしていただけでした。
それは、”ハズレ”のクジの中に、”アタリ”の札を仕込むようなもの。
クジを引くのは愛犬です。
闘病というのは、きっとそんなもの。
でも、”ハズレ”しかない箱からは、”アタリ”は出てこない。

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第3章の初話です 
この連載の初話です
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