緊迫の7日(9/18)劇症肝炎闘病記
前日の朝、面会したピーチーは、死を免れたように思われました。
しかし、その前があまりにも悪く、危機的な状況であったために、飼い主としてはまだ素直に喜ぶことができませんでした。
いつ病状が急変するか、わからないからです。
この日も面会に行きました。
具合は良くなっているのか? それとも悪くなったか?
期待が半分、怖れが半分。
面会の順番が来て、名前を呼ばれたときのことを、今も覚えています。
以下、当時のブログです。
8月19日 夕方|復活のピーチー
先ほど、ピーチーの面会から帰ってきました。
おかげさまで、ピーチーは昨日よりももっと元気になっていました。
面会はまた処置室を使わせていただきましたが、今日はピーチーの元気さを示す行動がありました。
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僕たちが待つ処置室に、看護師さんがピーチーを連れて来て下さったのですが、ピーチーはまず僕たちの方に歩き出し、急に踵を返して、看護師さんにの方に戻っていきました。看護師さんの足元に擦り寄ったのです。それはまるで、看護師さんにお礼を言っているように見えました。
そして、ひとしきりそれをやってから、僕たちの方に、嬉しそうな軽い足取りでやってきました。
喜びの初ウンチ
自力で歩ける時間が随分と長くなり、放っておくと小走りに駆けだしそうな勢いです。
ただ、やはり肝臓の疾患を抱えていると持久力がないので、その勢いだけは見せますが、すぐにハアハアと息が上がります。
今日、僕と奥さんが見ている前で、ピーチーはウンチをしました。看護師さんを呼ぶと、すぐにそれを片付けてくれたのですが、来て下さった看護師さんが大変な喜びようでした。
実は今日が入院後の、”自力での初ウンチ” だったのです。
そして初ごはん
ピーチーの ”初の行動” はもう一つありました。
今日は看護師さんが僕達のために、面会している部屋に、ピーチーの食べる晩ご飯を持ってきてくださいました。
ピーチーはまだ自分からご飯を食べず、看護師さんが口に入れたものを、ただ飲み込むだけなのだそうです。
「飼い主さんの方で、自分から食べるように促してみてください」
という説明でした。
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ご飯の器をピーチーに近づけてみると、確かに看護師さんが言ったように、匂いは嗅ぐものの、そっぽを向いてなかなか食べません。
そこで手でつかんであげてみました。するとピーチーは美味しそうにそれを食べてくれました。これで食欲のエンジンが掛かったようです。
それからのピーチーは、自分から進んで、器からごはんを食べ始めました。
意識障害がまだあるのか?
まだ意識障害があるのか、食べ方は上手くありません。器の縁には沢山ごはんが張り付いたまま。
食いしん坊のピーチーは、元気な時はそれを綺麗に舐めとったものです。
しかし贅沢は言えません。自分から食べたのは、大きな進歩です。
自分で口から食べるという行為が、バイタルの数値に大きな影響を与え、それが病魔と闘うエネルギー源になるのだそうです。
ご飯を食べ終わったピーチーは満足そうな顔をしました。
よくやったな、ピーチー。
光明 ‐ しかし気持ちを引き締めて
今日は担当の山○先生がご不在のため、検査の数値は受け取ることができませんでした。それが病院の決まりなのだそうです。しかし看護師さんからは口頭で、黄疸の値はかなり下がったとの報告がありました。炎症の値はまだまだ高いそうですが、光明の一つではあります。
明日は更に元気になっていてくれると嬉しいのですが、しかし予断を許さぬ状態をいうことにはまだ変わりはなく、ぬか喜びをしないよう、油断をしないようにしなければなりません。
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山○先生は、明日は一日病院にいらっしゃるとの事なので、また夕方にはお話を聞きにいくつもりです。
帰り際にうちの奥さんと写真を撮ると、笑ったように口角が上がって、チロリと舌を出しました。
まだまだとは言うものの、回復が目に見えるととても嬉しいです。
――第3章|闘病記を読もう(18/28)・つづく――
この記事について
作者:高栖匡躬
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表紙:今回の表紙は、ピーチーです。
――次話――
自己免疫不全に思うこと。
ピーチーは劇症肝炎と同時に、いくつもの病気を発症していました。
重責する癲癇発作、重症の多発性関節炎、多臓器の腫れ、そして難聴――
自己免疫不全は、自分の免疫が健康な自分の体(臓器)を攻撃するもの。
だから、何でもありなのだそうです。
――前話――
劇症肝炎は劇的に改善し、危機最大の危機は回避か?
「ステロイドの効果が出ているのは、まず間違いないでしょう」
担当医が言いました。
その時、ピーチーは担当医の足元にヨロヨロと歩いて寄り添いました。
まるで「治してくれてありがとう」と言っているように。
愛想を振りまくピーチーでした。
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▶ 劇症肝炎闘病記の初話です
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