別れまでの12日(3/18)肺がん闘病記
主治医からは、肺がんの疑いが強いとは言われましたが、確定診断をしたわけではありません。
よって完全に望みがないわけではないとは思っていました。
レントゲンに写った最も大きい影は、ピンポン玉くらい。
人間のスケールに直せば、大人のこぶし大です。
そのように大きなものが体内にあって、咳もせずに、血痰なども出ないでいられるのだろうかと考えていたのです。
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ただ、楽観もしていません。
もしも肺がんでなかったとしても、ピンポン玉大の影は普通ではありません。
飼い主さんは皆そうだと思いますが、闘病の初期段階では”迷い”や”否定”のような気持ちが交錯します。当然筆者もそうでした。
目の前で起きている事が、現実ではないような、足元がおぼつかないような気持ちです。
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しかし、心の内の半分では覚悟も決まって来ていました。
ピーチーは過去に別の病気で、大きくは2度死の淵に立ったことがあります。
過去は2度生還しました。もしや今回もという淡い期待ともに、当時決めていた、別れのための覚悟も同時に蘇ってきました。
人は動物に教えられることがとても多いですね。
筆者もピーチーから、沢山のことを教えてもらいました――
以下、当時のブログより。
3月20日|相変わらず調子は今一つ
ピーチーですが相変わらず調子は今一つです。
肩で息をしながら、じっとうつ伏せの状態です。
トイレには自分で歩いていけます。
今日は一度もトイレを失敗しませんでした。
最近の食欲は今一つです。
エンジンが掛かって食べ始めると完食するのですが、なかなかエンジンが掛かりません。
普通に歩くことはできますが、長時間は歩かなくなりました。ややナックリングの症状があります。
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後ろ足にナックリングの症状
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今日のピーチーは朝ごはんを、ずっと食べずにいたのですが、夕方、暗くなってからエンジンかかって、残っていたご飯を一気食いしました。
夕飯は、朝ごはんを遅くに食べたためか、三分の一を食べて終了。
あ、そうそう、昨晩はウニを食べさせてやったのですが、写真を撮り忘れました。
たった今のピーチー
たった今のピーチーは、自室で仕事をしている僕が見える場所に、じっと伏せています。飼い主が見えると安心するんでしょうね。
昔からピーチーはそうでしたが、今は特にそうです。
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このように、こちらをじっと見ています
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目が追いかけてきます。
何かを期待するような顔です。
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昨日病院でもらった抗生剤は10日分。
あと9日分は残っています。
それで幾らかでも、楽になってくれれば良いのですが。
――第4章|看取りの記録を読もう(6/29)――
この記事について
作者:高栖匡躬
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表紙:今回の表紙は、ピーチーです。
――次話――
久しぶりの癲癇発作――
ピーチーの一連の闘病は、癲癇から始まりました。
そして試行錯誤の末、度重なる発作は鳴りを潜めていました。
しかし、それがまた再発――
癲癇の発作は体力を奪います。
よりによって、何故こんな体調が悪い時に……
思わず天を仰いでしまう飼い主でした。
――前話――
病院に行ったピーチー。
待ち時間には外に出て、大好きなボールで遊びました。
そしてレントゲン――
診察室で、曇った顔の主治医が言いました。
「肺がんが強く疑われる」
半年前のMRIでは綺麗な肺でした。
何も写っていなかったのです。
それが――
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