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君が旅立つまでのこと

悩みに賞味期限はあるのか? - 悩みはいつか必ず消えるもの

君が旅立つまでのこと_扉

前記事の『悩みの値段』に続き、今回は『悩みの賞味期限』について考えてみたいと思います。

”悩み” ”値段” に換算するのは、我ながら少々乱暴な気がしたのですが、”賞味期限” に例えるのは、それよりもずっと自然な気がします。

何故なら自分の過去の悩みを振り返ってみると、もうほとんどが賞味期限切れのものばかりです。だからきっとあるんだと思います。
”賞味期限” は――

悩みの賞味期限を考えてみる

今回も大学院で行った講義を再現してみます。

悩みの賞味期限は?

あなたには今、悩みがありますね?
人間、常に悩みがあって当然です。少しも恥ずかしいことではありません。

それでは1年前のあなたはどうでしょうか?
丁度1年前の今日も、やはりあなたは何かに悩んでいたはずです。
その悩みが何だったのか、思い出してください。

どうですか? 思い出しましたか?

思い出せませんよね。
何故ならそれは、別にどうってことない悩みだったからです。

今でも1年前の悩みを正確に思い出せるとしたら、多分、あなたの友達ははあなたに呆れてしまって、「いい加減にしたら?」という事でしょう。
僕だって言いますよ。「もうそこらで、やめとけ」って。

では、1年前の悩みは、誰が解決したのでしょう?
それは言うまでもなく、あなた自身です。

どういう事か分かりますか?
あなたは自分が思っていた以上に強い人間で、あなたが悩んでいた事は、あなたが思っていた以上にささいなものだったという事です。

あなたたちがこれから抱える悩みなんて、そんな程度のものなんですよ。
親が死んだって、友人が死んだって、似たようなものです。
1年もたてば忘れてしまうか、癒えてしまっている。
これは、僕の経験からいう事実なので、嘘ではありません。

ましてや、あなたがこれから作る会社がどうにかなって、あなたがどんなに悩もうとも、外から見たらどうってことない事なんですよ。

だからね、大事なのは、頑張りすぎない事です。
そして駄目と分かったら、すぐさま尻尾を巻いて逃げ出すことです。

やり過ぎなければ、何度だってチャンスはあるし、挑戦はできるんです。
失敗しても殺されないのが日本という国。
折角日本に生きているんだから、どんどん挑戦して、どんどん失敗してください。

でもね、やりはじめたら、勝つまで挑戦し続けなければ、アホって言われて終わっちゃうから、それだけは覚えといてね。

――悩みの賞味期限の講義、ここまで――

 

悩みは量にも期間にも限りがある

当然ながら起業の悩みと、愛犬の闘病の悩みは随分と中身が違います。
しかし、共通していることはあります。筆者が講義で学生さんたちに伝えたかったのは、悩みというのは内容が何であれ、その量にも、期間にも限りがあるという事です。悩みはどんなに深かろうが、いつか必ず消え、永遠に人を悩ますことはありません。

愛犬の闘病の場合もそれは同じだと思います。永遠でないと分かっているからこそ、限られた時間を、愛犬のために捧げることができるのです。

起業と最も違うのは、飼い主は愛犬の闘病から逃げ出すことができないという事でしょうね。しかしその代わりに、飼い主は起業家と違って、弱音を吐くことが許されています。弱音くらい、どんどん吐けば良い。だからなるべく早くに、その相手を見つけることが大事だと思います。

愛犬の闘病は、どうか前向きに

どうか、愛犬との闘病には、前向きに立ち向かってください。
それは、愛犬を救う事でもあり、あなた自身を救う唯一の方法であると思います。

いつかは誰もが通る道で、筆者とピーチーは誰かの後を歩きました。
そしてそれは恐らく、皆さんのほんの少しだけ先だったのだと思います。

筆者が体験してきたことが、いつの日かほんの僅かだけでも、みなさんの心の助けになることを祈っています。

 

――第1章|犬の闘病とは(9/9)おしまい――
――第2章|犬の死とは に続きます――

この記事について

作者:高栖匡躬
 ▶プロフィール

表紙:さくらさん(飼い主:さくら母さん)

――次話――

(第2章の1話目です)

「生きざまと死にざまは同じ」という言葉があります。
『一生懸命に生き抜いた人の死は、何も思い残すことが無く、爽やかなものである』
という意味だと思っています。
犬は無心で一生を駆け抜けていきます。
きっとその死は、爽やかなはずです。

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――前話――

悩みの値段?
「お金になんて換算できないよ」
なんていう声が聞こえそうですが、それでも敢えて――
世の中は面白いもので、何かに例えてみたら急に心が軽くなった、ということが良くあるものです。
私の悩みは、幾らで消える?
1億円?
5000万円?
それとも――

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第1章の初話です
この連載の初話です
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