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君が旅立つまでのこと

最後の力を振り絞り - 自分で歩いていくんだね【闘病記】

君が旅立つまでのこと_最後の力を振り絞り

別れまでの12日(12/18)肺がん闘病記

この時期になると、ピーチーの状態は目に見えるように悪くなっていきました。
しかしながら、ピーチーはまだ生きようとしており、その姿に励まされる飼い主。
飼い主にできることは、最早そう多くはありません。
何が起ころうと、現実から目をそむけないで、見守ってやろうという決意のみ。

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安楽死の選択は、常に頭の中にありました。
きっとその選択をするときが、来るようにも思っていました。

その日が来なければ良いと願う気持ちが半分。
しかしあと半分は、その日が来たら迷うことなく決断しようと決めていました。

 ●

ある時までは死を遠ざけようと、或いは忘れようと、必死にもがきました。
しかしある時を境にして、気持ちが自然に切り替わりました。
良い死を迎えさせてやろう。良い別れをしたい。
積極的にそう思うようになりました。
覚悟が決まったとか、そんな劇的なものではありませんでした。
もっとささやかで、もっと自然な気持ちの変化でした。

 ●

死は忌むべきものとは、最早思いませんでした。
絹のように柔らかで、優しいもののように思えました。
その死に、いつかピーチーを引き渡すのだと思っていました。
問題は、それがいつなのかというだけ――

以下、当時のブログより

3月27日 未明|初めての強制給餌

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昨晩、ピーチーはウニを食べました。
うちの奥さんが、豆乳と一緒にフードプロセッサーにかけてくれたものです。

自分からは食べられないので、シリンジで流し込むことになってしまいましたが、ペロペロ舌を出して、美味しそうでした。

これがピーチーの初めての強制給餌です。
そして飼い主も、生れて初めての強制給餌。

何事も初めては勝手が分かりません。
おっかなびっくりで、きっとぎこちなかったことでしょう。

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シリンジでウニを流し込みます

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ペロッと舌が出ました。美味いか? ピーチー

昨夜のピーチー - かなり呼吸は苦しいです

昨夜のピーチーの状態は、酸素の無い中では、もう数歩歩いたらもうダウンしてしまいます。相当に弱っています。

※呼吸器系(特に肺)の疾患は、まるで海で溺れているようなものといいます。

 ●

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よしよし、苦しいなあピーチー

 ●

しかしピーチーは、それでも自分で歩こうとします。
一生懸命に生きようとしていて、真っ直ぐです。
犬ってすごいなと、改めて思います。

力を振り絞って歩く姿

もう水飲み場にもトイレにも、自分では歩いてはいけなくなってしまいました、だからピーチーがそこに行こうとする意志を感じ取って、飼い主が抱えて連れて行ってやります。

連れて行って、1mほど手前で放してやると、そこからは力を振り絞って歩きます。

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まだ自分で歩こうとするピーチー

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偉いぞ、ピーチー

 ●

水は3回くらい舐めたら終わりです。
飲みたくないのか、或いは下を向いているのが辛いのか分かりません。
だからピーチーが水飲み場に行った後は、スポーツドリンクをシリンジで流し込んでやってます。

弱っていく姿を見ると、寂しいなあと思います。
でも、不思議と悲しくはありません。

 ●

3月27日未明の時点のピーチーは、うちの奥さんの布団で、一緒に寝ています。
幸せそうな寝顔にホッとします。

やっぱりピーチーは、可愛いです。

 

――第4章|看取りの記録を読もう(15/29)――

この記事について

作者:高栖匡躬
 ▶プロフィール

表紙:今回の表紙は、ピーチーです。

――次話――

もう、いつ何が起きてもおかしくない状況でした。
しかし、飼い主の心は乱れるのではなく、どんどん平静になりました。
深刻な状態なのに、家にはいつも笑いがあって――
酸素テント内では、ピーチーは元気な頃と同じ。
問題は呼吸だけなのにね。

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――前話――

日に日に落ちていく食欲。
この日、恐れていたことが起きました。
ピーチーが、大好物のウニを食べないのです。
それはいつもどんな時も、目を輝かせたもの。
――とうとうその日が。
そして――
ピーチーを14年診てくれた主治医からは、
安楽死を示唆する言葉が。

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肺がん闘病記の初話です         
第4章の初話です 
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