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君が旅立つまでのこと

大好きな木の棒をとりに- それはピーチー棒と呼ばれていました【闘病記】

肺がん闘病記_大好きな木の棒

別れまでの12日(9/18)肺がん闘病記

この日、2つ目の記事を書きました。
ピーチーの体調が目まぐるしく変化するので、この日から1日に2~3回の記事を残すようになります。

自分で過去の記事を読んでみても、別れの覚悟が固まって行くのがわかります。
はじめのうちは、否定(または疑い)だったように思います。
やがてそれは、あるがままの全てを受け入れようという受容の時期に――

この頃は、それよりも一歩進んでいて、ピーチーとの別れをどのように意味のあるものにしてやろうかと、むしろ積極的とも言える考えに、変わろうとしていたように思います。

ものすごく長い時間のように感じました。
でも、この日はピーチーの変調に気が付いて、わずか10日しか経っていません。

覚悟と言うのは――
その時になると、元々心中にあったものが、自然に固まるものなのでしょうか?
それとも、どこからか下りてくるものなのでしょうか?

以下、当時のブログです。

3月25日 夕方|大好きな木の棒をとりに

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ピーチーは今、気持ちよさそうに寝ています。

実は今日は、主治医の先生に往診をしていただくつもりで、病院に電話をしたのですが、タイミングが悪くて今日だけは先生がご不在との事。明日には来ていただけるそうです。

というわけで、現在のピーチーの体調は、正確な状態がどうなのか分かりません。確実に階段を下っていることは、素人でも分かるのですがね……

仕方がないので、ここからは今日の朝からやったことをお知らせしておきます。

今日は朝早くに、僕一人だけで、何年もピーチーと通い慣れた散歩コースを歩きました。ちょっと思いついたことがあって、いつもピーチーと遊んでいた、公園に行きたかったのです。

思い出の道

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これ、公園とは思えませんが、公園なのです。

ここは散歩の往路の中間地点です。
水道局の3階建ての屋上に作られていている公園で、以前はエレベーターで上まで昇りましたが、最近になってスロープができました。
スロープを作っている途中から、坂道の上り下りは、足腰の弱ったピーチーのリハビリに良いなと思っていました。

ピーチーとその坂を登れたのは、たった一回きりでした。
まあでも、一回だけでも利用できたので、良しという事にします。

本当の目的の公園は、もっと先にあります。

目的の公園

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こちらが目的の場所
先程の公園よりもずっと広いです。

こちらが目的の公園。
ピーチーと一緒に過ごしたこの14年間の中で、1人だけでここに来たのはこの日が初めてです。

 

公園に入ってすぐの正面には、広い野球グラウンドがあります。
目指しているのはそのグラウンドの右側。
そこにある広場の奥に、目的のもがあります。

それはピーチーとここで遊ぶために、長年ずっと同じ場所に隠していたもの。
ピーチーが大好きなだったものです。

何かというと、それはなんと!――――
ただの木の棒なのですけどね。

ここです。ここに隠してある。

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もう何年隠してあるでしょう?
最低でも3年はここにあります。

(追記)
この棒で遊ぶピーチーの姿を、よくブログに載せていたので、ブログ仲間からは ”ピーチー棒” と呼ばれていました。

木の棒を取りに来た理由

自画自賛させていただきますが、立木の枝にまるで本物の枝と見間違うほど、巧妙に置いてあるので、横浜市が立木の剪定をする時期にも、何度も無事に持ち去られることを乗り越えてきたました。

ピーチーが走れなくなって以来、この広場には来ていなかったので、まだあるかなと心配だったのですが……

ありました!

ピーチーが少しでも元気を取り戻すように、大好きな木の棒で、ちょっとだけでも遊んでやろうかと思ったんです。

でも――、家に帰って木の棒を見せたところ、ピーチーは興味なしでした。
前は、これ見ただけで、興奮していたのに……

ほら、お前の棒だよ!
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なんだか寂しいです。

酸素の吸引マスクを作る

今日、その後でやったことは、ピーチーが酸素テントに入ってばかりだと、ビニール越しの対面ばかりになるので、携帯用の酸素ボンベの吸い口を使って、即席の吸引マスクを作ってやりました。

これです

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なかなか良いものができました。

これを使えば、酸素ブースの外で過ごすことができるので、家族と一緒の布団で寝ることだってできます。

だから冒頭に『今は気持ちよさそうに眠っている』と書いたのです。

早速、うちの奥さんと一緒に寝てしまったピーチー

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ぐっすり

初めての白髪染め

この日は、ここ数年ずっと気になっていたことを遂に決行しました。
実はピーチーのアイパンチが、何年か前から白髪交じりでになって、「何だか年寄り臭いぞ」とずっと思っていたのです。
何度か染めようとしたのですが、染料は目に入るとダメらしいので、いままでは諦めていました。

今は可哀そうだけれど、顔を掻く仕草さえできなくなっています。
だから、丁度良い機会だと思い、今日はうちの奥さんに、マスカラタイプの白髪染めを塗ってもらいました。

これで白髪が消えて黒くなります。

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ほら、ぐっと若返ったでしょ?

今日もケーキを

その後の朝ごはんでは、昨夜に続いてまた、ローソンの『プレミアム・ロールケーキ』を食べさせてやりました。

パクリ

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あっというまの完食でした。

そんなこんなで、ピーチーにはまだ元気が有ります。
トイレにも頑張って、自分で行けてます。

 

――第4章|看取りの記録を読もう(12/29)――

この記事について

作者:高栖匡躬
 ▶プロフィール

表紙:今回の表紙は、ピーチーです。

――次話――

この日は、ピーチーの月誕生日。
劇症肝炎から生還して以降、わが家は毎月誕生日を祝っていました。
「今月も生きてくれてありがとう」と。
酸素はテントとマスクを使い分け。
呼吸が苦しい以外は、元気なピーチー。
肺がカートリッジ式だったら良いのにね――

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――前話――

別れが近いことは、肌で実感できました。
そして別れへの覚悟が固まっていきました。
「最後は自分らしく送ってやりたい」
そう考えた時、友人たちにあるメッセージを送りました。
――ピーチーには『虹の橋』が似合わない
と、思ったのです。

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