別れまでの12日(6/18)肺がん闘病記
ピーチーの状況は悪くなっていきました。
今当時を思うと、ゆっくりと悪くなるのと、階段を下るように悪くなる様が、ミックスしたような感じでした。
体調の小さな浮き沈みに一喜一憂しているところに、ある時ガクンと一段、明らかな
下降があるのです。大きくはありませんが、確実に階段を下る感触がありました。
しかしそれは、大きなショックというわけでもなかったように思います。
割と淡々と受け止めていました。
こんなことを繰り返しながら、飼い主の覚悟は決まって行くのかもしれません。
3月23日|酸素を買ってきました
小康状態を得たかに見えたピーチーですが、状況は悪化しつつあるように思えます。
寝ている間は良いのですが、起きてトイレに行くと、僅か5mほどで息が上がってへたり込むようになりました。
荒い息はなかなか回復せず、その都度酸素を吸わせています。
酸素と言うのは、登山やスポーツのときに使う、ボンベ式の小さなものです。
試しに買ってみたものですが、効果があるようです。
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ただこの酸素はすぐになくなりそうです。今後はボンベを買っていたのでは、追いつかなくなりそうなので、今日は酸素テントのレンタルを申込みました。
実は会社に行けば、買ったままで使っていない高性能な酸素ジェネレーターがあります。はじめはそれを使って、自分で酸素テントを作るつもりでした。
しかし、どうやらそれをしている余裕はなさそうです。
オムツを付けました
昨夜はとうとうピーチーにオムツを付けました。
しかし、ピーチーがトイレに行きたがることを察した時には、トイレの近くまで運んでやって、残りの1m程は自分で歩かせて、用を足させます。
体は苦しいでしょうが、最後まで自分で用を足せるようにしてあげた方が、ピーチーも嬉しいだろうと思ってのことです。
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1mだけ歩いてトイレへ
よしよし、偉いぞ、ピーチー
トイレは犬の誇りなのかもしれない
今日は用を足した後、ピーチーは尻尾を振りました。このところずっと尻尾をふることがなかったので、ちょっと驚きました。やっぱり、自分で自分のことが出来るのが嬉しいようです。
何となく、犬の誇りのようなものを感じるなあ
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ピーチーは寝ていると具合が良いのでしょう。時々思い立ったように、自分で立ち上がります。そしてすぐに息が上がるくせに、部屋の中を歩き回って、尻尾を振って僕と奥さんに愛想を振りまきます。
ピーチーはピーチーなりに、何かを考えているのかなと思います。
写っていないけれど、尻尾を振っています。
終末期に思うこと - 飼い主としての決断
今、考えていることが2つあります。
1つ目は、ピーチーが奇跡的に元気になることを期待して、その後の生活を考えながら、今の治療と食生活を続けること。
2つ目は、ピーチーの命が残り少ない事を前提に、これからの生活を豊かにできるような手段をとること。
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2つ目を実行するための具体的な手段は、ずっと飲んでいた免疫抑制剤を止めて、少しでも免疫力を維持させること。それと、あまり美味しくない超低脂肪な療法食を止めて、高カロリーで美味しいフードを食べさせて、体力を温存させることです。
更にステロイドの量を増やすという、選択肢もあるかもしれません。
※ピーチーは、胆管閉塞の闘病 以来、ずっと療法食を食べているのです。
どちらにするか、まだ結論は出せませんが、今の状況から考えると、あと1日か2日で自然に結論が出るのではないかと思います。
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そういえば今日は、前から気になっていたドッグフード、『アカナ』を注文しました。アカナのようなプレミアムフードは、療法食が主食のピーチーには縁が無いものだと思って、これまで真剣には検討していませんでした。
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お願い - 良いフードがあったら紹介してください
皆さんにお願いです。
もしも他にも良いフードがあったら、ぜひ紹介してください。
ずっと療養食ばかりを食べさせていたので、一般のフードには全くと言って良いほど、知識がないんです。
尚、ピーチーは、牛肉とサーモンにアレルギーがあります。
――第4章|看取りの記録を読もう(9/29)――
この記事について
作者:高栖匡躬
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表紙:今回の表紙は、ピーチーです。
――次話――
ますます病状は悪化。少し歩くと息が上がります。
そんな中、頼んでおいた酸素テントが届きました。
2週間前は、ボールを追いかけていたのに――
まさかこんなに早く、酸素を使う日が来るとは。
環境に戸惑うピーチー。
犬に流れる時間は早回しです。
――前話――
幸い癲癇発作は1度で終わりました。
体調は浮き沈みがあり、この日は安定。
食欲はあり、大好物のウニに目が輝きます。
まだ先の事は何も見通せません。
小康状態を得るのか?
それとも、悪くなっていくのか?
ただ見守るしかない飼い主でした――
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▶ 肺がん闘病記の初話です
▶ 第4章の初話です
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