緊迫の7日(15/18)劇症肝炎闘病記
我が家に帰ってきたピーチー。
まずは家中をパトロールしました。ピーチーは数日家を空けるとき、ペットホテルなどに預けると、帰ってきたときに必ずそれをやるのです。
パトロールの後は薄暗い脱衣所で、寝ていました。可哀そうな気がするのですが、体調が今一つの時には、それが一番落ち着くようなのです。
この日は、退院のお祝いで、大好物のウニを食べさせてあげる日。
ピーチーはウニの匂いに敏感に反応して、起きてきました。
これは、病気をする前のピーチーと同じです。
ホッとしました。
以下、当時のブログです。
8月21日 夜|退院祝いはウニ
今夜遂に、ピーチーはウニを食べることができました。
今回、ウニを食べさせたのは、退院祝いと、頑張ったピーチーへのご褒美ですが、実はもう一つ理由がありました。
ピーチーは現在ステロイド治療をやっていますが、これは自己の免疫を抑制するのが目的です。治療が始まったばかりなので、ピーチーの免疫はまだ下がり切っていません。しかし、今後はもっともっと免疫が低下し、感染症に罹りやすい体になります。
最後のウニかもしれないからね
常識的に考えて、生ものは控えなければならないでしょう。だとすれば、今回が生ウニを食べる最後のチャンスかもしれないと思いました。
もちろん、誕生日にもウニを食べさせてやります。今、利尻産や羅臼産といった、聞いたことはあるあっても、食べたこともない高級ウニを、どこで買えるのか周囲に聞いているところ。
でも、誕生日まで待ったら、その頃には火を通してやらないと、食べられない体になっているかもしれませんし、その日に風邪でも引いたら、食べられないかもしれません。
だから、今日のウニというわけです。
スプーン一杯の幸せ
ピーチーのために買ったウニは、約9粒で1500円でした。
スーパーで買ったものとはいえ、このウニだって、飼主が食べたことが無いような高級品です。
まずは、スプーンでひと粒だけすくいました。
うちではピーチーにおやつやご飯を上げる前には、少し離れた位置に座らせてから、必ず『待て』のコマンドを掛けます。ピーチーは大好物のウニを目の前にして、それを見ないように、目をそらしています。
早くあげたいのはやまやまですが、病気だからと言って、甘やかすわけにはいきません。いつもの我が家のスタイルは守り通します。
いつも通りの”待て”と”来い”と”良し”
『来い!』
と、ピーチーを呼ぶと、飛んできました。
続けざまに、ウニを目の前にして、『座って待て』を掛けますが、お尻が浮いた状態で、ウニをガン見です。
『良し』
と、言ったとたんにガブリ。
犬はウニを食べても大丈夫なのか?
因みに、ピーチーがウニを食べる写真を掲載すると、「犬はウニを食べても大丈夫なのか?」或いは「犬にウニを食べさせるべきではない」という意見をいただくことがあります。
一応我が家も心配で、過去に調べてみたのですが、犬とウニの関係について書かれたものは見つかりませんでした。
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複数の獣医さんに確認したところ、「ウニを食べてよいかと訊かれると、それを調べた論文や調査資料を見たことがないので、何とも言えません」という内容の回答でした。
ある獣医さんはこうも言いました。
「獣医としての意見を求められると、分からないものは食べさせるべきではないという、画一的な回答になってしまいます」と答えながらも、「自分も犬を飼う飼い主という立場で意見を言うなら」と前置きをして、「主食でないなら、たまには良いんじゃない」とのこと。
厳密に言えば、ウニにはリン(必須栄養素ではありながら、摂りすぎると腎臓にダメージを与える)が含まれると言われているのです。
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ピーチーがウニを食べられるのは、これまでは年に2回。誕生日とクリスマスだけ。
この程度の贅沢は、飼い主の自己責任でOKと考えていました。
飼い主さん毎に違うお考えはあるでしょうし、それに意見するものではありません。
これが我が家の考えです。
今日のウニはここまで
この日はウニを、3粒だけ上げました。
本当は全部あげたいところですが、ピーチーの体調がどうなるか分からないので、今日のところはここまで。
でも、こうしたら、あと2回楽しめます。
おい、ピーチー、分かってるか?
あと2回、お楽しみが残っているんだぞ。
――第3章|闘病記を読もう(24/28)・つづく――
この記事について
作者:高栖匡躬
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表紙:今回の表紙は、ピーチーです。
――次話――
劇症肝炎からは回復したものの、原因の自己免疫不全はそのまま。
つまりこれからは、本来体を守るはずの免疫との闘いが始まります。
おそろしく増えた薬の種類にため息が。
しかし、ピーチーのトボケタ顔を見ると、“前向きに“という気持ちになってきます。
――前話――
家に帰ってきたピーチーは、玄関の扉を開けてやると、小走りで中に飛び込んでいきました。
よほど嬉しかったのでしょう。
そして段差のあるお風呂場にヒョイと飛び込んで、水をくれと訴える力強い目。
またこんな日がくるなんて、思いませんでした。
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▶ 劇症肝炎闘病記の初話です
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