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奇跡? 強運? 偶然? - 生かされているという思い【闘病記】

闘病の奇跡、幸運、偶然

緊迫の7日(11/18)劇症肝炎闘病記

小康状態を得たピーチーについて、色々なことを思いました。

前回書いた、自己免疫不全(自己免疫疾患)に関することはその最たるもの。
本来は体を守ってくれるはずのものが、誤動作で幾つもの病気を引き起こしてしまうのですから、その振る舞いの不思議であり、怖さも感じてしまいます。

一方、ピーチーの強運も実感しました。
稀有な偶然が重なりあって、まるでピーチーは ”何者かによって、生かされている” みたいです。

ピーチーは過去に、膵炎から併発した胆管閉塞で、死の手前から戻ってきました。
その時も、絶体絶命の綱渡りの末の生還。

今回も、その時と同じような、幸運を感じました。
劇症肝炎の始まりの頃、掛かりつけの動物病院の副院長先生がこう言いました。
「この子は、運を持っているから、またなんとかなるかもしれないわね」

それは、動顛している飼い主への、せめてもの慰めに聞こえました。
しかしそれが、現実のものになろうとしていました。

以下、当時のブログです。

8月20日 早朝 - 2|それは強運なのか?

ピーチーは今度も、持ち前の強運を引き寄せたかもしれません。
いくつもの偶然が重なって、今の状況があります。

まだ道半ばなので、今の段階では病気について、あまり詳しくは(断定的には)語れないのですが、1つだけどうしても、お話をしておきたいことがあります。不思議で仕方が無いのです。

それはピーチーの体に起きた3つの病変の順番についてです。

ピーチーの病変は、時系列に沿って以下の発生順です。

①てんかんの発症。しかも短期間のうちに重症化。

②四肢の麻痺。しかも7月以降になって、急速に悪化。最後は歩行困難。

③劇症肝炎。肝臓の値が僅か2日で、正常値から測定不能なほどの危険域に。

もしも、この発症の順番が違っていたらどうだったかと思うと、今でも背筋が凍ります。

幾つもの ”もしも”と、”幸運”

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もしも劇症肝炎が最初に発症していたら

当然ながら、通常のオーソドックスな治療を選択していたでしょう。そして効き目が無く、次の治療に。そしてその次に……

もしもそうだったとしたら――
肝臓の悪化のスピードから言って、ピーチーはもうこの世にはいないはずです。
手術を選択していたら、それよりもっと早く、ピーチーはいなくなっていたでしょう。

もしも四肢の麻痺が最初に発症していたら

ウイルス性でない多発性関節炎は、ピーチーの免疫不全を診断する最後の決定打でした。しかし、もしももっと早くに発症していたとしたら、老化かヘルニアと断定されて、免疫不全との関連性など、疑われなかったのは明らかです。

「ヘルニアの持病を持った高齢犬が、原因不明の劇症肝炎を発症した」
恐らく医師はそう言ったでしょうし、僕もそう断じたと思います。

きっと僕たちは、ピーチーの体が発した最も重要なサインの一つを、検査もすることなく見落としていたに違いありません。

癲癇(てんかん)の発症が最初だったからこそ、ピーチーは何とか持ちこたえている

今となってみれば発端であった癲癇(てんかん)の大発作も、もしも重症度(緊急度)が低かったならば、脳腫瘍を疑うこともなく、MRIの検査までは受けていません。悪化の速度が早かったことも、今となっては幸いしています。

症状が重く、悪化が急だったからこそ、「全く脳に病変が無いのに、こんなに急速にてんかんが悪化するのはおかしい」という疑問を、僕も医師も持ったのです。

神様、もう少しだけ

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僕は信心深い人間ではありませんが、今回のことだけは、何だか見えない力が働いていたとしか思えません。そしてそれを引き寄せたピーチーの強運にも、本当に驚くばかりです。

実を言うと、ここで書いたことは、一連の幸運な出来事のほんの一部に過ぎません。その周囲と前後には、もっと多くの偶然が重なって今の状況があるのです。
ざっと考えただけでも、上記以外に少なくとも5つの偶然が重なって、ピーチーは今の小康状態を勝ち取っています。

そのことについても、いつか触れたいと思います。
もしもピーチーが回復したらの話です……。
今、それをお伝えししてしまうと、なんだかこれからの運を無駄遣いしてしまいそうな気がします。だから、その時が来るまでじっと黙っていようと思います。

神様、これから僕は、もっと真剣にお祈りをします。
仏様、もしもピーチーを治してくれたら、もうちょっと良いお供え物をします。
だから、もうちょっとだけピーチーを支えてやってください。
ピーチーはもうすぐ、14歳の誕生日なのです。

お願いします。

 

――第3章|闘病記を読もう(20/28)・つづく――

この記事について

作者:高栖匡躬
 ▶プロフィール

表紙:今回の表紙は、ピーチーです。

――次話――

いつものように面会に行くと、看護師さんの明るい笑顔。
きっとピーチーの具合が良いのです。
そして処置室に入ろうとした矢先でした――
スルスルと扉が動き、ピーチーが外に出てきたのです。
自分の鼻先で扉を開けて。
――驚き!
4日前は、瀕死の状態だったのに。

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――前話――

自己免疫不全に思うこと。
ピーチーは劇症肝炎と同時に、いくつもの病気を発症していました。
重責する癲癇発作、重症の多発性関節炎、多臓器の腫れ、そして難聴――
自己免疫不全は、自分の免疫が健康な自分の体(臓器)を攻撃するもの。
だから、何でもありなのだそうです。

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劇症肝炎闘病記の初話です
第3章の初話です 
この連載の初話です
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