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君が旅立つまでのこと

どうした?調子悪いのか? - 見守るしかないもどかしさ【闘病記】

肺がん闘病記_なんとなく調子が悪い

別れまでの12日(3/18)肺がん闘病記

主治医からは、肺がんの疑いが強いとは言われましたが、確定診断をしたわけではありません。   
よって完全に望みがないわけではないとは思っていました。
レントゲンに写った最も大きい影は、ピンポン玉くらい。
人間のスケールに直せば、大人のこぶし大です。

そのように大きなものが体内にあって、咳もせずに、血痰なども出ないでいられるのだろうかと考えていたのです。 

ただ、楽観もしていません。
もしも肺がんでなかったとしても、ピンポン玉大の影は普通ではありません。

飼い主さんは皆そうだと思いますが、闘病の初期段階では”迷い”や”否定”のような気持ちが交錯します。当然筆者もそうでした。
目の前で起きている事が、現実ではないような、足元がおぼつかないような気持ちです。

しかし、心の内の半分では覚悟も決まって来ていました。
ピーチーは過去に別の病気で、大きくは2度死の淵に立ったことがあります。
過去は2度生還しました。もしや今回もという淡い期待ともに、当時決めていた、別れのための覚悟も同時に蘇ってきました。

人は動物に教えられることがとても多いですね。
筆者もピーチーから、沢山のことを教えてもらいました――

以下、当時のブログより。

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病院で告げられた病名は - まさかの診断結果【闘病記】

肺がん_病院で告げられた病名は

別れまでの12日(2/18)肺がん闘病記

時々息が粗い――   
そんな程度の変調だったのです。  
ちょっと気分が悪そう――、ちょっとダルそう――、ちょっと熱があるかも―― 
これまでに何度もあった変調と較べて、取り立てて悪いわけではありません。
もっと具合が悪かったことは、それまでに何度もありました。

ただ――   
今回は今までとは、ちょっと違う変調でした。 
なんとなく、嫌な予感を伴うような――

以下、当時のブログより。

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始まりは小さな変調でした - 体の震えと食欲不振【闘病記】

肺がん闘病記

別れまでの12日(1/18)肺がん闘病記

劇症肝炎から奇跡的な生還を果たしたピーチー。
一旦はそのまま完全復活をするかと思いましたが、ステロイドの大量投与からの減薬で、離脱症状が現れます。

ステロイドによって失われた筋力は、なかなか回復せず、頬はこけたまま。
しかし、辛抱強くリハビリを続けていました。

やがて少しずつ体力は戻ってきました。浮き沈みはあるものの、段々とその山は高くなり、谷は浅くなり、回復を実感するように、散歩の距離も伸び、少しずつですが筋肉もついてきました。

ピーチーは気持ちが若くて、8歳くらいまでは初めて会った方から、「まだ子犬ですか?」と訊ねられるくらいせわしなく動き回っていました。

14歳で病気をするまでは、老犬と思えない程よく遊び、良く食べました。多分、何も知らない人からは、10歳くらいに見えていたのではないでしょうか?
病気をして老け込んでしまいましたが、それがようやく14歳の年齢並みの子に戻ろうとしていました――

最初に現れたのはちょっとして変化でした。
大好きな散歩に出ても、どこかつまらなそうに見えました。
3日前の散歩は、途中で止めて、抱いて家に帰りました。
それからは、マンションの周辺を少し歩く程度。
段々と回復している時期なので、時にはそんなこともあるでしょう。

「少し様子をみようか」
そう思い、注意深く様子を伺っていました。
そして――、この日がやってきました。

以下、当時のブログより。

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看取りの時に訪れる奇跡 - まるで神様が手配したかのような

看取りの時に起きる奇跡

看取りの記録を残す理由(3/3)

”最期の時”に想うことがあります。

筆者にとって愛犬の最期の時(終末期~臨終)というのは、寂しいけれども良い思い出です。思い出す度に力をもらうし、今でもまだ愛犬と心が通っているんだと思わせてくれます。
「今頃ピーチーは、天国でどうしているかなあ?」
そう思うたびに、「あっちで、楽しくやっているだろうなあ」と思って、笑顔になります。

別れは決して、悪いものではないと思うのです。

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別れの予感、別れの準備 - 看取ってみて初めてわかること

看取りの記録を残す理由

看取りの記録を残す理由(2/3)

”その時” を普通に迎えたい。そう思っていました。

別れが近いことは肌で感じ取れるものです。
だからこそ ”その時” を普通に過ごしたいと思います。
日常の中に別れがあるのだと思うのです。

”その時”、愛犬と言葉は交わせないのに、心が通うのを実感しますね。
ペットは自分の死を通して、飼い主に色々な事を教えてくれるような気がします。
寂しい事だけれど、とても良い時間だったと思っています。

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看取りの時へのプロローグ - その日は駆け足でやってきました

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看取りの記録を残す理由(1/3)

3月は筆者にとって特別な月です。
なぜならば2016年3月29日に、筆者の大切な愛犬、ピーチーが天国に旅だったからです。
病名は肺がんでした。今でも当時のことは、鮮明に覚えています。

幸いにもペットロスはありませんでした。
正確に言えば、大きなペットロスはなかったというべきかもしれません。
別れのときには、笑って送ってやりました。ピーチーらしい清々しい去り方でした。
悲しみはあったのですが、同時に全てをやり切ったという満足感があり、またそうさせてくれたピーチーを誇らしくも思いました。

ピーチーが去ってから、筆者はピーチーとの思い出をエッセイにまとめました。
一緒に過ごした日々や、その時に考えたことを文章として残し、伝えていこうと思ったのです。

第4章はそのエッセイを元に構成をしています。闘病記ではありますが、治療日記のようなものではありません。別れの時を見据えながら、大切な最後のひと時を一緒に過ごした、介護と看取りの記録です。
これから愛犬の闘病や介護をされる方の応援歌になることを願いながら、まとめていこうと思います。

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選択こそが飼い主の闘病 - 飼い主次第で変わる愛犬の運命

選択こそが飼い主の闘病

愛犬の闘病の間、飼い主は何度も選択を迫られます。
犬が口をきけない以上、飼い主が愛犬に代って治療法の選択をし、経過を追い、その治療の結果として出てくる検査の結果を待つしかありません。

検査の結果が良いものであろうと、悪い物であろうと、結果が出ると、次の選択が待っています。

こと犬の闘病に限れば、その選択は生易しいものではありません。
何故ならば、選択を間違えれば愛犬の体にダメージを与えることになり、時にはそれが、命を左右することになるかもしれないからです。

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明日は14歳の誕生日 - 闘病を終えて思うこと【闘病記】

君が旅立つまでのこと_明日は誕生日

緊迫の7日(18/18)劇症肝炎闘病記

上の写真は、この闘病ブログを書いた翌日(8月26日)に撮影したものです。
ピーチーの誕生日に、お祝いのウニ(それも北海道の利尻産の高級ウニ)を食べさせてやった時のものです。写真からも分かるように、ピーチーは死の一歩手前の状態から生還してきました。

このブログは、ピーチーが劇症肝炎に罹った2105年に書いたものですが、今読見返しても、当時のハラハラした思いが蘇ってきます。

ピーチーとピタリ同じ症例(自己免疫疾患による、癲癇+劇症肝炎+多発性関節炎+内耳炎)のワンコは、そういるものではないでしょう。しかし自己免疫疾患は、症状は何でもありの病気。ピーチーとは違っていても、複数の症状が複合することは容易に想像がつくことです。

この闘病記が皆さんの愛犬、愛猫の闘病で、役にたてば嬉しいのですが。

以下、当時のブログです。

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高度医療の恩恵を実感 - 医療格差について思う【闘病記】

動物の高度医療_恩恵を実感

緊迫の7日(17/18)劇症肝炎闘病記

退院の翌々日。またピーチーを連れてDVMs(動物医療センター横浜)に行きました。
劇症肝炎を発症する前から、この日は癲癇(てんかん)の治療のために脳神経科の予約が入れてあったのです。

二次診療、高度医療は街の動物病院と違い、受診する科が専門分野で別れています。当然ながら各分野の専門医が担当するために、わずか2日の違いでも、まとめて診てもらうわけにはいきません。

しかし文句は言えません。こういう医療体制が整っていて良かったし、その恩恵に預かれる場所に住んでいたのも幸運でした。

地域ごとに、医療格差は随分とあるようです。
二次診療、高度医療を、どこにいる子も受けられる環境になれば良いと思っています。

以下、当時のブログです。

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危機は去ったのか? - 新しい課題はまだ沢山【闘病記】

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緊迫の7日(16/18)劇症肝炎闘病記

目前にあった危機が去ると、それとは別の問題も浮上してきます。

肝臓の諸数値が全て健康な状態に戻ったわけではありません。これからは慢性的な傾向の強い肝臓疾患と、長期で付き合っていかなければなりません。

また劇症肝炎の原因となった自己免疫不全はそのままですから、これからは自分の免疫とも上手く付き合っていく必要があります。もしもコントロールを誤ると、また重度の肝炎が再発してしまい兼ねません。

それに加えてピーチーには癲癇の発作もあります。

薬の時間を守らなければならず、食事制限も厳しいです。健康な時と違い、いい加減に済ませる事はできません。

しかし、ピーチーのオトボケな顔を見ていると、「仕方ないか」という気になってきます。諦めではなく、前向きに付き合っていこうという気になってくるのです。

以下、当時のブログです。

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お祝いのウニを君に - 犬はウニを食べても良いのか?【闘病記】

劇症肝炎闘病記_お祝いのウニ

緊迫の7日(15/18)劇症肝炎闘病記

我が家に帰ってきたピーチー。
まずは家中をパトロールしました。ピーチーは数日家を空けるとき、ペットホテルなどに預けると、帰ってきたときに必ずそれをやるのです。

パトロールの後は薄暗い脱衣所で、寝ていました。可哀そうな気がするのですが、体調が今一つの時には、それが一番落ち着くようなのです。

この日は、退院のお祝いで、大好物のウニを食べさせてあげる日。
ピーチーはウニの匂いに敏感に反応して、起きてきました。

これは、病気をする前のピーチーと同じです。
ホッとしました。

以下、当時のブログです。

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退院そして大好きな我が家 - 帰宅してすぐにやったこと【闘病記】

劇症肝炎闘病記_退院

緊迫の7日(14/18)劇症肝炎闘病記

結局この日夕方まで、DVMs(動物医療センター横浜)からは、何の連絡はありませんでした。ということは、ピーチーは経過観察中に何の異常もなかったという事です。

「きっと、大丈夫」
そう思ってはいたのですが、予定の時間が来るまで気が気ではありませんでした。
「退院できるかもしれない」
逸る気持ちを抑えながら、我が家には車が無いので、迎えに行くためのタクシーを呼びました。
病院につくまでは、そわそわした気持ちでした。

以下、当時のブログです。

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退院はできるのか? - 前日の検査結果と共に【劇症肝炎闘病記】

劇症肝炎闘病記_退院はできるか

緊迫の7日(13/18)劇症肝炎闘病記

愛犬ピーチーの退院はほぼ決まりと思われましたが、一晩様子を見てとのこと。何もなければこの日に退院のはずなのですが、飼い主は気が気でありません。

急激に始まった劇症肝炎なので、同じように急激にぶり返すことだってあるかもしれないと思いました。

ずっと喜ばないようにしていましたが、前日にそうとう我慢できず、ピーチーの大好物を買いました。家に帰ってきたら、食べさせてやろうと思ったからです。

しかし、それで運が逃げるのではないかと、やはり心配をしてしまいました。

そして――、夜が明けました。

以下、当時のブログです。

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